入れ歯をお考えの方へ。

入れ歯にも慣れと調整が必要です。3か月を目標に!

初めて入れ歯を入れる場合、お口を入れ歯に慣らす期間が必要になります。

口の中の柔らかい粘膜にとって、突然の入れ歯はいきなり鉄棒を猛練習したようなものです。手にたくさんのマメができるように、場合によってはお口に不具合が起こるかもしれません。
少し根気が必要ですが、入れ歯の着用に、慣れと練習は必要です。3カ月を目標に練習してみてください。

当院では、入れ歯を作ったその後までサポートします。何かありましたらお気軽にご相談ください。

食事練習

うまく噛めるようになるには、何回かの調整と慣れが必要になります。
最初は柔らかいもの、小さく切ったものを奥歯でゆっくりと噛みましょう
入れ歯になれるには1か月ほど、ほとんどのものが食べられるようになるには3カ月ほどかかります。
だんだんと歯ぐきが入れ歯に慣れ、お食事が楽しくなってくるはずです。

発音練習

まず「サシスセソ」「タチツテト」から練習を行ってください。
鏡の前で表情を見ながら練習するのもおススメです。
いつの間に歯が抜けたままのときより、より良い発音ができるようになります。

入れ歯の種類

留め具のない入れ歯 スマートデンチャー

一般的な部分入れ歯の場合、入れ歯をお口の中に固定するためにに金属のバネを使用します。
スマートデンチャーは、特殊で安全な樹脂素材で作られた入れ歯です。
歯ぐきの色に合わせたピンク色の樹脂素材でできており、軽く、弾力性があるため見た目がキレイで入れ歯と気づかれることもありません。

歯は健康の屋台骨です。
歯の損失をそのままにしたり、合わない入れ歯をつかって、食べることや話すことが億劫になってしまっては、健康や楽しみから遠ざかってしまいます。
しっかり噛んで、食べて笑って、たくさん話して、心身ともに健康に過ごしていただけるようお手伝いいたします。

レジン床の入れ歯

歯ぐきに触れる部分がレジン(プラスチック)で作られた保険適応の入れ歯です。
金属素材に比べると熱が伝わりづらく、食べ物の温度を感じにくい傾向にあります。また、人によって装着時に少し違和感を覚えることがあります。

レジン床や義歯は、患者様のお口にあった色味・素材をお選びいただけます。
詳しくはご相談ください。

歯の一部分を補いたい場合に ブリッジ

健康な歯の2本以上を軸にして、橋のように数本の歯を補うものをブリッジと言います。
部分入れ歯と混同しやすいですが、ブリッジの場合きちんと接着するため、簡易に取り外しは出来ません。
そのぶん、しっかりとお口に密着し、違和感のない噛み心地になります。
ブリッジの歴史は古く、ブリッジの形状をした義歯が5000年前のピラミッドから出土しています。
臨床例も多く、処置後の経過予測が立てやすいというメリットもあります。

入れ歯の洗い方

入れ歯を長持ちさせるには日々のお手入れが大切です。

  1. 毎食後洗浄してください。その際に入れ歯に欠けや不具合がないかご確認ください。
  2. 入れ歯専用の歯ブラシでやさしくブラッシングをしてください。
    力の入れすぎや、研磨剤を含んだ歯磨き粉のご使用は、傷の原因になるため、おやめください。
  3. お口の中にあるご自分の歯も、ブラッシングや歯間ブラシを行ってください。
    キレイにした後、支えになっている歯に欠けなどないか、チェックしてくだい。
  4. 入れ歯が乗る歯ぐき部分は、指でやさしくマッサージし、ぬめりが残らないようにしてく
    ださい。
  5. 就寝前には入れ歯を外し、専用の洗浄液に浸けてください。
    1日使った入れ歯には見えない、カンジダ菌や真菌があり、義歯性口内炎などの原因になります。

入れ歯のトラブルを防ぐために

入れ歯のご使用には以下のことにご注意ください。
  • 入れ歯を必要以上に歯や唇、舌などでいじらないようにしましょう。
  • ヤスリなどで削ったり、ペンチで曲げたりなどの調整を行わないでください。
  • 外している際は、お水の中で保管してください。
  • 熱湯をかけたり、火に近づけたりしないでください。
  • 本当に調節が必要な箇所がわかりにくくなりますので、市販の入れ歯安定剤等の助けを借りて無理にお使いにならないでください。
  • 顎や噛み合わせは常に少しずつ変化しています。合わない入れ歯を使い続けると顎の骨をいためてしまうことにもなりかねません。年に2度の定期検診をお願いいたします。

料金表

部分入れ歯(税別)

純チタン・チタン合金

¥ 300,000
  • 軽い
  • 金属アレルギーの心配が少ない

コバルトクローム合金

¥ 250,000
  • 信頼と実績がある
  • 丈夫で快適

プラスチック

保険適応
  • 保険が使える
  • 基本の機能は同じ

総入れ歯・ノンクラスプデンチャー

総入れ歯(税別)

(画像はチタン合金)
  • 純チタン・チタン合金 ¥300,000

    体内に埋め込むことができるほど安全性の高い金属です。
    口の中では金属味がほとんどありません。

  • コバルトクローム合金 ¥250,000

    多く入れ歯として使用され、信頼性も実績も高い材料です。
    金属義歯の中でも、比較的お求めやすい入れ歯になっています。​

オプション料金

  • マグネット付き ¥20,000/一歯
  • コーヌス付き ¥40,000/一歯

ノンクラスプデンチャー

金属のバネがない入れ歯です。
バネの代わりに歯の色に馴染むピンク色の樹脂を使っているため、入れ歯が目立ちません。
また、金属を使用していないためアレルギーの心配もありません。

料金等はお問い合わせください。

知っていますか? オーラルフレイル

オーラルフレイルという言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
直訳するとオーラルは「お口」、フレイルは「虚弱」という意味です。
不思議なことに、全身の筋力や心身の活力の低下は、お口の状態にも機能の低下として現れます。
そして、お口の健康を保つことで、全身の健康をも保つことにもつながっていくことが近年の研究で分かってきたのです。
オーラルフレイルとは、お口の衰えを全身の衰えのきっかけと認識し、お口の衰えを防ぐことで健康を維持していこうという考えです。

とても重要なお口の機能

お口は全身のとても小さな器官ではありますが、とても重要な役割を担っています。

私たちは、食べ物が体に吸収されるように、食物をかみ切り、砕き、すりつぶして消化液である唾液とよく混ぜ合わせ、消化の作業の1/3をお口という器官で行っています。
噛む力が弱まると、胃腸にかかる負担は増えますし、食べなくては栄養を摂取できません。
飲み込む力が弱まると、誤嚥性肺炎をおこしやすくなります。

お口はお鼻とつながっています。
もし、お口に有害な細菌などあった場合、空気と共に肺へ運ばれてしまいます。
また、歯周病菌などお口の細菌は、血液を通して体をめぐり、全身疾患の原因になることもわかってきました。

言葉は呼吸と、舌が口内の適切な位置で適切な動きを行うことで紡がれます。
抜けた歯をそのままにしていると、適切な口内環境でなくなるために、空気が漏れて不明瞭な発音になってしまいます。

お口の健康を維持することは、全身の健康と、健全な生活を維持するために必須のことなのです。